ブラウン管の中のバイクと母親

カミングアウト直後はブラウン管にバイクがうつっただけでテレビを消していた親も、最近ではそこまで過剰反応しなくなってきた。ＣＳで放映中の「白バイ野郎ジョン＆パンチ」もようやく観られるようになったらしい（笑）。

で、昨日私が歯磨きしている横で、親が「白バイ野郎ジョン＆パンチ」を観ていたわけだが、こんなシーンがあった。

バイオニックジェミーみたいな長身ですらりとしたブロンドの美人のお母さんと、その小さい息子が出てきて、お父さんはバイクに夢中で家庭を省みないので離婚したとのこと。離婚する前に息子に買い与えたジュニア用のバイクがその息子は大の自慢で、「でもお母さんは一人で乗っちゃダメっていうんだ」「そうよ、一人で乗ったりしたらお母さん許しません」「でも今はいいよね！」と、ジョン＆パンチの前で嬉々として庭を走り回る。

心配そうにそれを見守りながら「このコの父親もレースに夢中で・・・（怒）。あら、ごめんなさい。白バイのおまわりさんに向かって」と腹立たしいような切ないような表情を浮かべる美しい母親。

私は母親（というか妻、か）に感情移入するやら息子に感情移入するやら忙しい（笑）。

しかし何より、おそらく母親に感情移入しまくっているであろう自分の母親がモノもいわずに無表情にブラウン管を見つめる様子を横目でうかがって震え上がり、とても気まずい時間をすごしましたとさ。