6度目のタンデム

土曜は、彼とのんびりショッピング、の予定が、私のスタートが遅れたため、雨が降り出す前に行って帰ってこよう、と急遽バイクに乗せてもらって有楽町まで。

土曜の昼間はさすがにかなり混んでいて、空いているところでスピード出される分には全く不安はないのですが、両脇のクルマがトロトロ進んでいる間のすり抜けは正直言って怖い。「マトリックス」の2作目かなにかで、トリニティ役の人がノーヘル・対向車の中を大型バイクのタンデムで逆走するシーンはこれとは比較にならないくらい怖かっただろうなと思いながら、必死に身を縮めていました。

私は友人の運転する車でも、よほど信頼できる人じゃないと乗りません。いくら運転技術が高くても、経験豊富でも、自分で安全にコントロールできる範囲内での運転をすると信じられない人のクルマには乗りたくない。技術よりも性格ですね。

私が彼の後ろに乗っているのは、彼自身が絶対に、自分でコントロールできないことはしないだろうと信じているからで、(独りで乗っているときはどうか知りませんが・・・)彼よりもずっと経験豊富で運転が上手いライダーさんがもし後ろに乗せてくれると言っても、その人のことをよく知っていて信頼できなければきっと乗らないだろうな。(教習所教官とかスクールのイントラさんとかは別ですが)

いくらバイクに乗るのが好きで、タンデムでもいいから一瞬でも多く乗りたい、とはいえ、やっぱり人の後ろに乗ってクルマの間をすり抜けるのは本当に怖いので、バイクに乗っていると、私はこの人のことを本当に信頼してるんだな、と妙に客観的に思ったりするわけで。怖くないといったら嘘になりますが、不安を感じたことは、一度もありません。

これってすごいこと。だって私、幼稚園生の頃、先生の補助が信じられなくて鉄棒をやるのが嫌で、もう二度と先生が「手伝ってあげるからやってみよう」といわないように自分から手を離してわざと鉄棒から落下したほど、怖がりかつ人を信用しないんですよ?!(頭が悪い、も付け加えるべきか)

話を戻して。
土曜の銀座は歩行者天国が多くて、一本中に入った路地も人がいっぱい。二人乗りのバイクで超低速で走るのは大変だろうな、とライダーさんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

靴を買いにいったのですが、お店の中で15分程度迷って、購入に至り、バイクに乗ってそれを持ち帰るためにどういう袋にするか、またひとしきり店員さんとやりとりしていたのですが、外は無情にも雨が降り出してしまい、彼から「キミは電車で帰っておいで」といわれてしまいました(涙)。久しぶりのお出かけだったのに、移動15分ショッピング20分・・・。

自分は雨具も持っていなかったし、そのままの格好で夜外出する予定がある、その上有楽町は私の通勤定期の範囲内だったので、Iモードで雲の様子まで見て判断した彼はとても賢明だったのですが、でもやっぱり寂しかったわ。

彼は、腹の中で冷静に、雨が降り出したら自分はバイク、私のことは電車で帰すつもりで、タンデム用のメットを固定するための装備もちゃんと持ってきていたらしいのですが、自分は何も考えずに往復バイクに乗るつもりだったので、片道あまり堪能せずに乗ってきてしまいました。

たとえていうなら、お代わりがあると思って1杯目を味わわずにかきこんでしまい、わくわくしてお代わりにいくともう品切れ、なんだもっと味わっておけばよかった!!と後悔したようなものです。

これからは寒くなるし、家から防寒の準備万端で出掛けることがあれば別だけれども、(多分ない・・・)会社の帰りに迎えにきてもらうとか、突発で乗せてもらうことはもう春までないかもしれない。あれが最後なんだったら、視界とか、風とか、もっとカラダに記憶させておけばよかった〜!

そして、帰宅してみるとすっかり雨は上がっていて、さらに悔しい思いをしたのでした。