09/28(木)HMS初級@桶川

CB400の20番車両。参加者はたったの13人。秋晴れで天候も気温も湿度も申し分ないバイク日和だというのに。しかもコース内には初級と中級しかいなくてがらーんとしている。イントラはM本さんとT木さん。やった!!やっぱり会社休んだ甲斐があった!


■午前中

  • ブレーキング(3箇所くらいで目標制動)、直パイ、たてながオフセット、普通のオフセット。
  • ブレーキングゾーンで、パイロンごとにとまらず減速のみ、そのかわりに1速で全開にする
  • 普通のオフセット部分で、パイロン1個ずつ360度ターンする


■午後

  • 新コースを3速or4速アイドリング、ハンドルはグリップエンド部分を掌で触るだけで通る。セルフステアを妨げない練習。
  • 新コース+市街地
  • 4.5m直パイ5本くらい+オフセット+バリアブル


初級にはじめてあがったときもイントラはM本さんで、やっぱり入門とは違う、こんなの私には無理!っておもったけれど、今日もいつもと違うことをいっぱいやってたのしかった。今日初参加の人はきっとすごく大変だったとおもう。


私自身は、もう迷わずにほとんどの課題を1速で走ることにしたけれど、前回はニーグリップを意識せずにできてセルフステアに怖がらずに身をまかせることができたのに、今回は下半身が安定していないな、ハンドルをおさえつけているな、と感じた。不自然にハンドルに力をいれていたたため小指のつけねから1cmくらい手首側にマメができてしまったほど。今までこんなことなかったのに。まったく一進一退だ。


今日の全体課題は、「出すことと落とすこと」→「落とせないと出せない」→「落とし方のバリエーションを増やす」ということ。ブレーキングを1速で全開にするのは、「音が大きくなってからの加速感を体験してください。景色の流れ方が違う。その加速感に目を馴らすことも大事」との理由から。


前回T木さんのレッスンでタンクに伏せて1速で開ける練習をしていたので、そんなに怖くなかったけれど、それでも文字通り「すっとんでいく」加速感ってすごい。


ブレーキングゾーンの終了地点にいるT木さんに「慣れてきたら、伏せる量を減らして、その速度ならどの程度伏せておけば大丈夫なのかいろいろ試してみてください」といわれる。その次の回では、ちょっと怖いなとおもいながらもあまり前傾にならずにおなかに力を入れてがんばってみると、「今のはなかなかいい」と言われた。T木さんには、いつも「穏やかに首を横に振られる」イメージなのではじめて褒められて、うれしい。


パイロン1個ごとに360度ターンするのは、アクセルをあけながらリアブレーキを使う練習。これってはじめての体験で、自分にできるかどうか不安だったのだけれど、右も左もなんとか倒れずにまわれたので少し自信がついた。あ、でもこの練習だけは怖くて2速でやってしまった。やっぱりチキンだなぁ。


午後は、「ハンドルをおさえつけてまわっている人が多い」とのことで、新コースの、ちょうど先週土曜の初級・上級で使ったのとほとんどかわらないレイアウトのオフセット部分を、アイドリングでハンドルから手を離して走行する練習。


ステップを踏む、とか体重をインにずらす、とか、外側から膝をタンクにかぶせる、とかいろんな曲がり方を意識してみて、これだけの速度が残っていればハンドルからすっかり力を抜いてしまっても倒れずに曲がれるということがわかって収穫だった。


普通に走り始めてからも、「アイドリングで回っていたときはこれくらいの速度でパイロンに近づいて回ってた」って思い出して、その記憶に近い速度で回れたときには、ハンドルからすっと力を抜いてバイクを倒すことができたが、なかなかうまくその速度でパイロンに近づけないんだよねー。


今日の市街地コースは芝生部分を使った直パイっぽい配置やUターンが組み込まれていてなかなかむずかしかった。でも1速でのUターンがずいぶん思い通りにできるようになったとおもう。アクセルをあけぎみにパイロンにむかっていくことができるようになってきた。


オフセット部分は、うまくいったりいかなかったり。イントラさんに後ろについてもらったときは、1個目のパイロンでおもいっきり失速して、パイロンをまわりきるまで何十秒もかかったような気がした。スローモーションで景色が流れているのをかんじながら「あちゃー」とおもっていたら、方向が変わったときにはイントラさんが前を引っ張るモードに変わっていた。


1速で走るようになって、イントラさんが後ろにつくよりも前を引っ張ってくれることのほうが多くなった。


2速で走っているときは「どのラインを走っていいかわからない」とか、「何が悪くてうまくいかないのかわからない」ではなくて、悪いところもどうすればいいかもわかっているのに、度胸がなくてできない、というかんじだった。だから、イントラさんが前を走ってくれても、自分の速さもラインもかわらず、「そうやって走ればいいのはわかってるんだけどできないんだってば!」という焦燥感ばかりがありどちらかとういと後ろから走ってくれて「ここが悪いからこういう練習法を試してみたらどうか」と言ってくれるほうがうれしかった。


でも1速で走るようになって、何もかもめちゃめちゃなんだけれど、イントラさんが前を走ってくれてそれに必死に追いつこうとしているときは、独りで走っているときよりもうまく走れることがわかった。


多分、今の自分はローギアのパワーに振り回されて、目の前のパイロンを回るのに必死になっているから、目線を送ることができていなかったり、最適なラインが理解できていなかったり、まだどれくらいの速度でパイロンにつっこめば失速せずに回りきれるのかがわかっていない段階なんだろう。しかもその「できていないこと」は2速で走ってぶつかっていた壁、「わかっているのにできない」ことと違ってまだ「わかればできる」レベルのことなんだろう。


だからイントラさんを必死に追いかけていると目線も先に送ることができるし、この速度ならこのラインで走るのがいいっていうのもわかるし、1速だと加速がすごいから、アクセルをあけるのにびびる私でも前を走るイントラさんとおなじ間隔を保つことができる。おなじ間隔で走れるのであれば、イントラさんが曲がり始めたポイントを見ていて、おなじ速度でおなじところで曲がりはじめれば失速せずにパイロンを曲がりきれる。

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2速でぶつかっていた壁を放棄して、1速で走り始めることが本当にいいのかどうか自分には正直自信がない。「アクセルさえあけていればできるのに、結局あけられずにできなかったこと」がいっぱいある。1速で微妙なアクセルワークができないがために、結果的に「大は小を兼ねる」的にパワーがえられてしまい、不本意ながらクリアできてしまった箇所がある。後述するが、バリアブルの1個目のUターンとか。


M本さんに「1速で走り始めたばかりで、まだパワーに振り回されているんです」というと、「2速でがばーーーーっとあけられるといいんだけどな」と言われた。まさにそう。1速で振り回されながらも、加速感を体が覚えて、それに慣れて、思い出したように2速で走ったときにも同じようにアクセルをあけたときに「あれ?こんなもんじゃ物足りないなぁ」とおもってアクセルがあけられればいいな、とおもって走っているのだけれど。


1速ではまだ走り始めたばかりだから、練習時間のはじめに「できないな」と感じたものの終わりのほうになれば「あ、できるようになった」とおもうこともいろいろある。人間、そりゃあ練習しても進歩がみられないよりはわかりやすく進歩を感じられたほうがうれしいにきまっている。


今、1速で練習しはじめたことは、逃げではなくて、「余裕をもってアプローチすると失速しすぎてしまうのであれば教わったよりもきついコースでアプローチしよう」というような発想の転換であり、モチベーションを維持するための方法の1つであるとおもいたい。

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T木さんが「前を走りますから、曲がり始めるポイントをよくみていてください」と予告して前を走ってくれたときには、スタート地点に戻ってきた後、T木さんらしく、「何ができないのかを理解して、原因が何かを考えて、それを克服する方法を考えて、それを実践してもまだうまくいかないときには別の原因があるということだからまた考えて、それを克服する方法を考えなきゃいけない」と、穏やかに言っていた。


何ができないか整理し、原因を考え、対策を考え・・・というのは(会社の)デスクの上でいやというほどやっているのだが、それを説明しはじめると練習時間が終わってしまうので、とにかくうなずいて、走る。


桶川では、考えない。何かを記憶しようという努力もしない。その暇があったら、走る。記憶しようという努力をしなくても、悔しかったこと、できなかったことは消そうとおもっても頭から消えない。


M本さんが前を走ってくれたときには、1速でも、こんなに余裕のあるラインで走っていいんだ、とおもった。大きくふくらみながら走ると1速だと急激に失速するから曲がりきれないかとおもい、意識してパイロンにつっこんでアプローチしていたのだけれど、M本さんが導いてくれる余裕のあるラインで、速度を維持してなめらかに旋回していくほうが速く走れた。


1速だと目標にむかってまっすぐつっこんでいって、ふっと速度がおちて、とまっているかのように小さく回ってそっからドカンと加速、というのが定石で、そうやらなきゃいけない、とおもっていたのだけれど、まだ1速の急激なエンブレによる失速を恐れてバイクを倒せていない私は、まっすぐパイロンにつっこみ、速度は落とさずにパイロンに近づけたものの、バイクを倒せなくて外にふくらんでしまうこともあったので、M本さんがそういうラインで走ってくれたのだとおもう。


自分がおもったようにまわれないのは、2速の時と同様、速度をおとしすぎてバイクを倒せずにハンドルを切ってのろのろ曲がっているときもあれば、2速のときとちがって速度に応じたバンク角が作れなくてふくらんでしまうこともあるんだなぁと当たり前のように気づく。ここのところ長い間失速がメインの課題だったので自分がそういう原因で曲がれていないのかもなんておもいもしなかった。イントラさんはすごいなー。


市街地+新コースをかなりいっぱい走ったあと、バリアブルにオフセットetcをつなげたコースに移動。平日初級ではよくこういうコースを走ることがある。平日の醍醐味♪ 大体中級が走った後とおなじか、もしくはそのオフセットを少しゆるくしたレイアウトなのだけれど、スタート直後の4.5m直パイに悩まされる。


4.5m直パイを走ったのはたぶん2ヶ月ぶりくらいだとおもわれ。もちろん2速で走っているのだけれど、あまりのヘタレっぷりに愕然とする。スタート直後にシフトアップするので速度が作れない。のろのろと入るのでバイクが倒せない。曲がれない。怖くて横に振れない、倒せないのに微妙なアクセルワークができないから、アクセルをあけたときにバイクがまっすぐとんでいってしまう。こういう狭いところこそステップ過重でバイクを倒して、アクセルあけたぶんのパワーををバイクを起こすのに使えばいいんだと思い、ステップを踏もうとするとリアブレーキを踏み込んでしまい、余計失速・・・。


5〜6本あるパイロンを全部通れたのは数回だったような気がする。直パイでパイロンを全部通った場合、前の人が直パイ2本攻略したあとにスタートしても、自分がバリアブルを抜ける頃には前の人はスタート地点に戻っているのに、直パイの最初の2本くらいでまっすぐすっとんでいってしまってあきらめた場合は、トイレ前で折り返したときにまだ前の人がバリアブルを抜けていないので、自分がいかに直パイをのろのろ通っているかということを思い知る。


ここでもイントラさんには前を走ってもらったほうがうまく走れる。前の人を追尾しているイントラさんに必死に追いついて、自分の先導車にしてしまったことも何度か♪


一つうれしかったことは、初級基本セッティングの入り口の最初のUターンがうまく通れるようになったこと。2速だとあんなに失速してうまく通れなかったのに、何がきっかけかわからないが、2速のときよりもバイクを傾けて回れるようになった。数ヶ月間悩んでいたので、何がきっかけなのかわからないというのは非常に腹立たしいが、まあできるようになったのだからいいか。多分微妙なアクセルワークができないから、外周から中に入ったときに1速でアクセルをあけるとちょうどいい速度になるのだろう。


しかし、1箇所うまく通れるようになったはいいもののほかに10箇所くらい通れないポイントができてしまったので、おつりがくるってものだ。


まあ何にせよ、この日はランチを取るのにバスで帰ったにもかかわらず、46kmも走ることができた。大変充実した一日だった。例によっていっぱい悩んだし、思うようにできない悔しさもあせりもいっぱい感じたけれどそれの100倍くらい「楽しい♪」という気持ちをもらった。まあこうやって振り返って書いていると、リアルタイムで悩んだような気がしてくるけど、実際悩んだのはデスク前にきてからで、走っているときは無我夢中だしね。


やっぱりバイクは楽しいなぁ。