初すべり

GALA湯沢に初すべりに行ってきました。去年までは、初すべりというと昼過ぎまでまともに滑れなかったのに、1本目から結構快調に滑れたということは、去年一年でずいぶん成長したのだなぁと思って嬉しかったです。


今回はブーツは自分の、板とポールはレンタルで、自分の板はr=11、借りた板はr=14だったので、小回りがきかなくて急斜面が恐くなっちゃうかな、とちょっと不安だったのですが、自分の板よりも2cm短い板を選んだこともてつだってか、思った以上に自分でコントロールでき、どの斜面も快調にすべることができました。r=11の自分の板を使っているときと同じイメージで曲がれてしまうということは、それだけ自分の板の性能をギリギリまで使い切ってないってことかもしれないけれど。


自分の一番の課題は、1年経ったら突然なおっているなんてことは当然なく、やっぱり左旋回のときに体が開いてしまって、まっすぐ進行方向を体が向いていないので、左足が遅れてしまう、内足が前に出て外足が遅れてしまうのでスキーがずれます。内足の、小指側のエッジに乗るというのはすごく恐いことで、左旋回のときは全然できません。


体が開くので足が遅れるのか、足が遅れるから体が開くのか。バイクの時に、進行方向を向くといっても私は頭ばかりで、首から下が全然動いていないということが分かったので、今回は、左と右の腰骨を結んだ線がスキーにたいして垂直になっているかということを意識したところ、右旋回でカービングターンがうまくできたときにはそうなっているのですが、左旋回のときは大体斜めになっているということを再確認できました。


でも腰骨を結んだ線を意識すると、顔だけ山側を向くとか、外側の手だけ前にもってくるんだけど体は開いたまま、っていうのに自分がごまかされないですむのでいいなと思いました。


あと、今回バイクとスキーで違うとあらたに気づいたことが1つ。カービングターンをするときには、背中を曲げちゃいけないんですよね。足をまげてスキーに近づいてスキーに力を加えていくターンなら背中を曲げていいんですけど、雪面からの力をうけとめて押し返さなきゃいけないカービングターンだと、背中を曲げていると背中に負担がかかるのだそうです。


カービングターンの練習は、思い切って自分で傾きを作っていかなくてはいけないので、バイクに似ていて面白いです。最適な傾きを作ることができて、板がずれずに、両エッジが雪面に食い込んできゅーんと曲がっていくとき、ああバイクみたいだなぁ面白いなぁって思います。今シーズンは右だけでなく左もこのターンができるようになることと、斜度や斜面の状態に合わせてずれるターンと切れるターンを使い分けられるようになるのが目標です。


今も両方使ってはいるけれど、それって余裕があるときは切れるターンを練習しているけれど、斜面が荒れてきたり急になってきたりすると、意識して切り替える前に恐怖のあまり慣れ親しんだずれるターンになってしまっているという状態なので。切れるターンを使いこなせるようになって、「今まではこの斜度ではずれるターンをしていたけれど、今は、(他に人がいなくて安全に練習できる環境だから)切れるターンでスピードに乗ったまま降りてみよう」って思って積極的に滑れるようになったらいいなぁ。


バイクの、スピードに乗ったままバンク角を深くして曲がっていく曲がり方と、しっかり減速してバイクを寝かせる時間はできるだけ短く、小さく曲がって曲がり終わった時にはバイクが立っていてドカンと加速、っていうのを路面の状態に合わせて使いこなすっていうのと似てますねっ。


あと、運動神経ゼロで超チキンな私が、泣き叫びながら20年ノーマルスキーをやってきたおかげで、スキーの親指側のエッジに乗るのは得意。親指とかかとを結ぶ線、ここに乗っている限りはどんな斜面でも絶対自分はコントロールできるっていう安心感があります。靴下もスキー靴もはいていないかのように、雪面の状態を足に感じることができるような気がするんだ♪この感覚を、リアブレーキのコントロールとかに使えるといいなー♪♪♪


あ、どんな斜面でも、っていうのは嘘。ターン弧が規制されるポールゾーンや、コブは無理!バイクはパイロンが立っていないと安心できないのに、スキーだとポールで規制されたところをすべるのは大嫌いです。


あと、バイクのときに、「ちょっと加速したときもいっぱい加速したときも同じように『すんごい加速した』時とおなじような姿勢をとってしまう」のと同じように、斜度が緩くても、きつい斜度の斜面をすべるときと同じように上体をかぶらせてしまうのもまずいところ。両方、スピードがつきすぎて体がおいていかれ、コントロールできなくなるのを必要以上に恐がるからなのですが。スキーもバイクと同様、加速に応じた適切なフォームで、スキー/バイクと一体になれるようにしないとねー。


スキーのときはこれでどんな弊害があるかというと、緩い斜面でもスピードが乗らないというのはもちろんなのですが、深雪の中を滑れないんです。上体がかぶって前に体重をかけすぎる→スキーのトップが雪にくいこみすぎる、ということなので。昨年の最後のスキーで新雪の中をちょっとだけ滑ったのですが、コントロールしようと焦って加重すればするほど、板はすすまず、体だけ引力に引っ張られて前にいって頭から雪に突っ込む、というのを数メートルごとに繰り返して泣きそうでした。


特に自分は短い板を使っているので(別に小回りが好きなわけではなく、むしろ小回りは嫌い。でも大回りを気持ちよくすべるよりも、急斜面でスピードを殺しながら恐怖感なく降りてこられる、ということを優先した結果です)よけい新雪、深雪は滑りにくい。斜面によってターンの種類や体の角度だけじゃなくて足の裏の、体重をかける位置も変えていけるようにならないとなー。


さて。
親はバイクばかり危険だといってスキーは推奨するけれど、混んだ斜面を滑っているときには、スキーだって同じくらい危険だよ、と今回、何度もひとりごちました。スキーは車線もなにもないし、バイクだとバイクの性能に頼れるところもあるけれど、スキーは自分の体にエンジンついているようなものなので自分の体がコントロールできなくなったら終わりですから。


貰い事故云々って母は言いますが、今回だって斜面の端にとまっているときに、自分でスピードをコントロールできなくなり、飛んでいく板に体がくっついているような状態になったスノーボーダーさんが魚雷のように私の脛から数センチのところを飛んでいって(エッジをきらめかせながら!)、はるか下のほうでごろんごろん転がってとまっていました。


滑っていればなんとかよけられても、とまっていたらとても反応してよけられるもんじゃないし、これは運ですよね。


滑っているときにしても、自分より下を滑っている人のターン弧とスピード、自分のターン弧とスピードを考慮して瞬時に、その人のターン弧の間を差して追い抜いていくのか、その人の上で軌道をかえるのか判断しなくてはいけない。もちろん1人だけじゃなくて2人、3人下まで見なくてはいけないのは言うまでもありません。


足が疲れてくる一方でスピードが乗ってきて、そろそろコントロールできなくなりそう、と思ったら、限界がくる前に前を見て、上を見て、自分のスピードと斜面の幅を考慮して安全なところまでいってとまらなきゃいけない。


リスタートするときには、斜面の端から様子をうかがって、このタイミングなら自分の初期加速で安全に間に入っていくことができる、という瞬間を待って出て行かなくてはいけないし、スタートしてからぐずぐずしているのではなくて一気にスピードに乗っていかないと上から人がきて危険・・・。


滑っているときにはあえて意識しないけれど、運動神経ゼロの私が、長年やってきたスキーのときはこういうことが自然にできているんだから、クルマだって経験を積めば、信号待ちの後のスタート、右折、Uターン、車線変更、こういうことが自然にできるようになるはず。バイクだって。


スキーを滑っていると、バイクのことも考えられて人より2倍楽しめる自分は幸せだなー。