08/03(土)HMS中級@桶川

・KJMさん&TKGさん&SGYMさん(ニューフェイス
・VTR3号車
・56kmくらい


■今日の自己課題

アクセルは開けられるようになってきたが、パイロンからはるか離れたところを走っているのでもっと効率的で無駄のないラインを走れるようにする。


⇒そのために「ブレーキを強く短くかける」「入りを大きくしてラインを変えてみる」「バンク角を深くしてみる」「まわりきるまでリアブレーキを離さないようにする」等色々なことを試してみようと思っていました。


■慣熟走行
TKGさんが先導する慣熟走行ははやいはやい。でも400に乗っているときはシフト操作をするのが怖くて100km近くまで1速で走っていたけれど、VTRに乗ると背に腹は変えられずシフト操作をしなくてはいけなくなります。おかげで大分なれてきて、以前は周回遅れくらいに遅れていた慣熟走行でも随分離れなくなりました。でも2速から1速へのシフトダウンはまだまだ下手で、うまく回転をあわせられずにリアタイヤがアグレッシブな動きをすることも多く、ひやりとするシーンがいちばん多いのは慣熟走行のような気がします。


■午前中(市街地&新コース)
いつものブレーキング練習のあとは苦手の市街地&新コースです。

新コースは長い直線のあるUターンの連続のようなオフセットの配置で、自己課題を実現するためにまずは上半身を行き先に向けるように心がけてみました。「忘れている」のではなくて「やろうとおもっても怖くてできない」のは、多分ニーグリップが甘くなっているせいだと思ってニーグリップを強めてみると、比較的上半身がフリーになって、顔だけではなく上半身全部で後ろを向きやすくなったように思います。やはり原因のひとつはニーグリップだったようです。


しかしこれをやると、今まで自分が体感していたのよりもパイロンも地面も近くなるので、怖くてついバイクを起こしてしまいます。動画でみると自分のバイクは全然、本当に全然寝ていないし、全然、本当に全然パイロンの近くにいないので、この角度と距離でパイロンが過ぎ去っていく感覚に慣れなければ話にならないのです。


右旋回は上半身だけを意識すると比較的変化がすぐにあらわれたのですが、左旋回は、自分でも笑っちゃうくらい左腕が突っ張って旋回の邪魔をします。左手でグリップを握らずに掌を開いて載せるだけにしたり、左肩を引くように意識してみたり色々試してみました。まだまだ難ありです。


市街地は異様に上手く走れなくて、速い人に引っ張ってもらったとしてもつい自分のペースでブレーキをかけてしまってついていけないのですが、原因は
・パーシャルがうまく作れない
パイロン1本が頂点のときと、ひとつの島を旋回するときとおなじようにアクセルを戻しブレーキをかけてしまう
からだと思いました。これはリンクしていて、島の入口でパイロン1本が頂点のようにブレーキをかけてしまっても、そこでパーシャルを作れれば速度を落とさずに島の周りをじりじりと旋回できますし、それができなければパイロン1本の時よりも速度が残るように減速して旋回をすればいいのでしょう。


どちらもできていないので、旋回すべき島の辺を底辺とした二等辺三角形をイメージして、その頂点にパイロンが1本だけあると仮定して回ってみることにしました。うまいこといけば道幅をいっぱいに使って、旋回の入口と出口で島の角をかすめることになります。すごく無駄なことをしているのかもしれないのですが、この走り方をすることで少なくとも「アクセルもブレーキも何も使っていない、なにもしていない、強いていえばはやく向きが変わるよう祈っているだけ」の時間がなくなりました。


VTRは何よりも回転数・速度を落としてしまうとお話にならないので、これで少しはスムーズに走れるようになったでしょう。


TKGイントラには、おそらくそういわれるだろうと予想はしていたのですが
「今の走りは安定はしているけれど、自分で絶対破綻しないと安心できる旋回速度で旋回している。あと1,2km旋回速度があがれば全く違う世界が見えてくるが、今のまま何度もおなじ旋回を繰り返していれば、それは安定には繋がるけれどいつまでたってもそれより速くはなりません。どこかでその安定を崩さないと」
といわれました。


ここまでの数回のHMS受講時ははブレーキなしで曲がって旋回速度をあげたり、旋回の角度を深くしたりする練習をしていたのに、旋回速度はとりあえずこれくらいにしておいて今日はブレーキを使って回る練習をしようとしたときに限ってTKGイントラに当たるんだよなぁ。


でも旋回速度、というか旋回への進入速度をを上げるように指導してくれるイントラさんはめったにいないので、せっかくTKGさんに当たったのだからと方針転換。


「随分勢いはついてきたので、もう一歩進めましょう。まだブレーキ途中だけどえいや!と倒してみる。もしくはブレーキをかけてから旋回、だったものを旋回をはじめてからブレーキにかえてみる、もしくはブレーキなしで曲がってみる、そういう練習をしてみてください」


自分はせっかく進入速度をあげようと意識しても、旋回の中心でおなじくらいの速度に戻るようにダラダラと大回りをしてしまうのが課題です。


自分で練習していて分かったのですが、怖いなと思うと旋回半径は調節してしまうのですが、ブレーキは大雑把すぎて調節できないようなので、旋回とブレーキの順番を逆にする練習のほうが効果的でした。


ブレーキ⇒旋回 の時とおなじ量のブレーキを、旋回⇒ブレーキ のときにかけると当然旋回、タイヤが地面をとらえる感覚が違ってくるわけですが、その感覚でも破綻しない、ということを体が覚えるのがまず大事だと思うのです。


スリルを全く好まず好奇心のない私の場合は、「補助輪をはずしてないふりをして実は補助輪をはずして走らせる」ではないですが、意識して怖いことをやろうと思えないために、自分のカラダを騙してでも、怖いことをやるつもりなかったのにやっちゃったーーーでも意外に怖くなかった!ということを繰り返さないと新しいことはできるようにならないのです。


■午後イチ
ブレーキング⇒直スラ⇒オフセット⇒オフセット(ノーブレーキ)


今日は自己紹介でブレーキングを課題にあげた参加者が多かったため、午後もブレーキングの練習。ロックする寸前までやってみましょう。ただし最初の握りこみで大雑把に握ってロックするのではなくて、ぎりぎりまで握りこんで最後にロックするくらいまで限界を探ってみる、という練習をしてください。とはKJMさんの談。


フロントがロックする前に、どうしてもリアをおなじように踏み込んでしまってリアのほうが先にロックしてしまうと言うと、「リアを封印してみたらどうですか?」と提案が。たしかにそうだ。おかげで、フロントを徐々に握りこんでいくはやさを早めていく練習ができましたがまだまだ自分が安心できる範囲でやっている気がします。


ブレーキングが目的の練習をしているうちはできることも、その練習で得たものをツールとしてコース走行をしたときにはふっとんでしまうのでは意味がないので、もっと積極的に練習しないとなぁ。


この練習も生かしたいし、でもTKGさんがいるから進入速度を上げる練習もしたいし、と思っていろんな課題を設けた結果、かなりとっちらかってしまいましたが、

・直スラのあとのオフセットではこのブレーキングの感覚をオフセットに生かして、直線でこのブレーキングに近いくらいきゅっとブレーキをかけて、同時に倒す
・折り返した後のオフセットではブレーキをかけずにバンク角を深くして回る。
という練習をしてみました。


前者の練習は、ブレーキングの練習としてはよいけれど、あのラインではVTRで速く走るための練習にはならないみたいです。目的意識をしっかりもって練習しないといけませんね。


後者の練習については、自分でもよくブレーキを使わずにオフセットを走るというのはやってみるのですが、周りの人が同じように走っているのを見ることはないので興味深かったです。


というのも・・・みんなブレーキを使わない時とおなじようにパイロンの近くを回ってるのに私はブレーキ使わない分だけイキイキと大回りしてるorz・・・ということが分かったから。


すかさずTKGさんによびとめられて
「進入速度が速くなったぶん、バンクの頂点までもっていくはやさもはやめなくては」と諭されました。「バンクしはじめのタイミングをはやくするのではなくて、すばやく倒してバンク角のMAXまで持っていくってことですよね?」
これ、いつもいわれるなぁ・・・


旋回の前半で深いバンク角まで一気に持っていく、というのがどうしても怖くてできません。400の時のほうがよほど寝ていたと思います。250よりも重いから、一気に倒そうと思わなくても脱力さえすれば倒れたんですよねえ。


前述の通り、苦手だなと思うことが見つかったら
「怖いことをやるつもりなかったのにうっかりやってしまったーーーでも意外に怖くなかった!」ということを繰り返して「その感覚でも破綻しない、ということを体が覚える」
のを繰り返しているのですが、この「深いバンク角まで一気に倒す」というのはまだ、カラダをうまいこと騙す方法が見つからないのです。


一回だけ旋回の前半でバンパーが地面をとらえましたが、そのときは悲鳴を上げてしまい、二度はできませんでした・・・でもその周回ではTKGさんが満足そうにうなずいていました。


旋回の前半で深いバンク角まで持っていく、VTRで速く走ろうと思ったら必須なので、これからも要練習です。


ひとつヒントになった(かもしれないけれどまだ練習していないから分からない)のは某上級の方のアドバイス。「オフセットはもっと倒していい、直スラは今はバンクに頼っていてハンドルを使っていないから、わざとそういう走り方を試しているのでなければハンドルをもっと使ったほうがいい、そうすれば今のスピードを保ったままもっと短い距離を走れる」とのこと。


オフセットはもっと倒していい、というのは痛感していることではありましたが、直スラはたしかにハンドルを使ってない。言われてはじめて気づきました。以前はノーブレーキノーアクセルでハンドルをガツンガツン切る3速4速での直スラのほうが得意だったのですが、最近はフロントブレーキを使うと面白いようにタイミングよくバイクが倒れるので全くハンドルを使っていませんでした。


逆にいえば直スラではブレーキを強く短く使ってバイクを倒すことを怖がっていないということだな、ということに気づかされ、直スラだとおもってオフセットでも倒せばいいんじゃないか、と思ってしまいました。よし、次は「これは直スラ」と思って自分のカラダを騙してオフセットを通ってみよう。直スラでハンドルを使うのは、ギアを上げて切り返しで通る練習をしてみればいいかな。


■午後後半(バリアブル)
コース案内で、自分の2台前で衝突事故があり、すっかりびびってしまってあまり積極的には走れませんでした。


これだけ狭いところを、受講生同士の信頼に基づいて走るわけですから、「自分自身の殻を破る」ことだけ考えて無茶して他人を怪我させたら・・・と思うと(言い訳かもしれませんが)少なくとも今日のところはやはり「自分のコントロールできる範囲でリラックスして走る、そのレベルを少しずつ上げていく」ことを考えようという方向にむかいました。


決して人間の力では出せないパワーやスピードが出るものを、地道な練習を重ねて少しずつコントロールできるようになること、決してスピードやスリルが好きではない私はそんなところを魅力に感じてスキーやバイクが好きみたいです。


そして恐怖心を克服してもう一歩殻を破ることができない自分にいらだつこともしばしばなわけですが、普段からスリルを好んだり積極的な練習を恐れずにする人に比べて咄嗟の判断力や本能的な危機回避能力、身体能力がない分、「他の人はもっと危険な練習をしていても他人を怪我させたりしないのに自分はちょっと頑張ってみただけで人を怪我させてしまった」ということもありえます。


HMSのように管理が行き届いて、モラルある参加者が各自のレベルに応じたクラスで十分なマージンをとって低速域の練習を行う場所でもこういうことがありうるということに本当にしょんぼりして、モータースポーツの世界の端っこにいるということを深く考えてしまったのでした。


さて、以下は自分の走りのこと。


KJMさんの追走で「今日はどうでしたか?」ときかれ「途中から色々な課題を設けてしまってたくさんのことを意識したので、とっちらかってしまいました」と正直に打ち明け、


「自分ではアクセルを開けることはできるようになってきたんですが・・・それに伴って減速のためのブレーキは前よりももちろん使ってはいるんですが、曲がるためのブレーキに対する意識が薄くなってしまっていたので、今日は、曲がるためのブレーキを使って無駄のない効率的なラインを通れるように終日意識して走りました。それに関しては午前中よりも最終的にはよくなったと思います」
とこたえたところ


「いや、おっしゃるとおりだとおもいます。自分で課題を設けて走っていらっしゃる以上、ここでさらに何かいうとまたさらに課題が増えてしまって散漫になってしまうとおもうので、自分で設定した課題に特化して走りこんでいかれればいいとおもいます。ひとつ今の段階で余裕があれば取り入れていけばいいとおもうのは、複数の操作をシンクロさせるということですね。倒しながら次のコーナーにむけてアクセルを開けていく、(あえて中略)等。こういった狭いコースでは特にそういうことを意識するとスムーズな操作に繋がっていくと思います」


とのこと。


たしかに、バリアブルの小さいターンが連続するところは、1つ1つの操作だけを考えていると旋回ごとにバイクが止まってしまう気がするけれど、
「旋回とブレーキを同じか、もしくは旋回のほうを先にしてみる」
急制動だと思って強いブレーキをかけてみる」
「上半身がフリーになるようにニーグリップを強めてみる」
「上半身全部で行き先を向いてみる」
「倒すための踏み込みのあと上に抜いてニュートラルな状態を作るのではなく反対側の足に体重移動して起こすために踏み込む」
等、2つ以上のことを同時に意識できると、途端に水が流れるようにスムーズに、なんというか意識していないときは「横によけている」かんじがするのにたいして「前にすすむ」感じがします。


ただ、まだ連続UターンやS字等は、ハンドルを切ろうとおもうとスピードを落としすぎてしまい、スピードを維持しようとおもうと遠くからダラダラとバンクしながら近づいてしまい、うまく2つ以上のことが意識できません。


自分は中級常連でいちばんUターンが下手だと思います。バリアブルの順番待ちの列でじっとS字の入りを見ていると、程度の差はあれ、全員のバイクのリアタイヤが、S字入口のパイロンとS極N極で引き合うように吸い付いてくるりと回っていくのですが、自分のリアタイヤパイロンはS極同士orN極同士としか思えません。これはどんな排気量の車両に乗ってもおなじなので、よほど苦手なのでしょう。これもうまいこと自分の体を騙す手立てを考えなくては。

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まあこんなかんじで、今日も朝から夕方まで120%の力で走って、屍のようになって帰ったのでした。


よく散歩中のイヌで、衆人環視の中で疲れて地面にへばりついたり、ご主人様に「だっこー」とねだって飼い主に恥かかせるヤツがいるじゃありませんか。ヤツらは、往復の道のりと疲労度を考えて折り返し地点を設定しようとする賢いご主人様の提案を無視して、体力が続く限り片道走り続けようとするのです。


私もそんなかんじで、自車両買ってからは特に練習のペース配分はいつも片道切符、給油の缶を持ち上げる体力もなく、ホイールを拭いて立ち上がろうとすれば後ろに転がり、シャワーを浴びているとたっていられなくなってシャワーブースの中で座りこんでしまいます。


もうちょっと体力つけないとなぁ。


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