10/18(日)チーム練

フォームの矯正をすべく、この日は午前中だけで60km弱8の字をやりました。


ここのところ順調にタイム比があがってきて、ようやく認定大会で120%切れたのはよいのですが、スラロームが速くなったとか、バンク角が深くなったとかそういうライディングの成長があったわけではなくて、ジムカーナらしいセクションの練習を徹底的にやって、対症療法的に苦手を克服してそれの寄せ集めでタイム比をあげてきただけで、このままでは遠からず頭打ちになるなという実感がありました。


ジムカーナを始める前、HMS中級にいたころからずっとできずにいた「基本のキホン」、「行き先に上半身を向ける」ということがいまだにできず、とりあえずそれをおいて他のことに手をつけてきたのですがついにこれを矯正せずには先に進めない、と思ったわけです。


次のパイロンを目だけぎょろぎょろ動かして視界の端にとらえる、という状態だったのをせめて「首」だけでも動かして視界にとらえる、というのところまでジムカーナ1年で来られたわけですが、なんとかこれを「肩」そして「腰」を動かして上半身を行き先に向けられるようにしたい。これができていないので低速では非常に向き替えが遅くなっていて、ガッツンブレーキでフロントタイヤを無理やりきれこませて向き替えをしているような状態です。


低速セクションだけでなくスラロームのようにわりとだらだら走るところでも、バンクを深くして積極的に走ろうと思ったときに、イン側の肩が斜め前に出てしまって、ハンドルをイン側からおさえてしまう形になります。両肩を結んだ線がハンドルと並行になるどころか、ハンドルと交差するような形です。これで逆ハン状態になり、旋回の後半でふわっとバイクが倒れこんで非常に危ない。HMSではこれで数え切れないほど旋回後半にバンパーを摺ってリアタイヤが浮き、うち何度かは足払いをかけられたように転びました。


フォームの矯正を後回しにしてきたため、「遅いし危ない」、その上対症療法的な練習で身に付けた低速セクションでの走り方をスラロームや大きな8の字、オーバルでもやってしまって「ねじふせるような変なフォーム」の走り方が随所に出てくるようになってしまいました。逆にいえばこれを矯正すれば低速セクションでの向き替えもはやくなるし、スラロームでも「バイクが曲がっていかない。怖い」というのがなくなって気持ちよく走れるようになる、全体的にレベルアップするかも!


とくに、ある程度スピードの乗った状態から180度以上のターンになるところで、旋回前半にイン側の肩が斜め前方に出て腰から上が真横にずれるような感じでイン側に平行移動してバンクが始まり、しかし内側の肩がハンドルをおさえて邪魔をしているので思うようにハンドルが切れず、旋回後半に体を外側に平行移動して腰より下でバイクをリーンアウト気味にねじ伏せるのは、本当に身についてしまってなおせなくなるまえに絶対直したいとおもいました。


で、まず何をやったかというと、視界を狭めるということ。以前にも「視界を狭める」という練習方法自体は提案を受けたことがあったのですが、ヘルメットの側面からカマボコ板的なものを突出させるとかそういったことしか思い浮かばず、面倒くさそうなのでやっていませんでした。ところが、NLの先輩選手の日記で、シールドにテープを貼って・・・という記述があったので「そうか!テープ貼ればいいのか!!!」と目からうろこがおちました。


ガムテープはさすがにちょっと怖かったので、うっすらと光がとおる養生用テープをシールドの側面に貼って、8の字開始。同時に、ハンドルをおさえずにハンドルが切れて行く感覚を知るために片手で8の字をやります。アクセルを開ける右手だけで添えていると、右手が遠くなる左旋回でどうしてもハンドルをおさえてしまうので、少し慣れてきて常に真ん中に乗っていることができるようになってきたら右旋回では右手、左旋回では左手をハンドルに添える形でやってみました。(アイドリングをあげているのでアクセルは開けなくても大丈夫)


腕でハンドルをねじ伏せられないため、道幅の狭い場所で向きを変えるために必死に首を回して行き先を視界にとらえようとするという相乗効果があってなかなかよかったです。また、ハンドルをおさえなくなっても左のほうが旋回半径が大きくなってしまうのは、シートの上での体重移動を始めるタイミングが左右で違うからだというのも感じました。左のほうは意識してシート加重を早めにして、リアブレーキを踏む右足に体重が割かれる分、意識してステップを踏みこむようにする、これでようやく旋回の孤がシンメトリーになったと感じられました。


さらに、とくに苦手な左旋回のイン側の肩を引いて体を開くようにするために、せっかくの片手8の字で片手がフリーになっているのでいろいろやってみました。旋回の頂点から後半で
・イン側の手でテールカウルを触る
・イン側の手で、真後ろにある目標のパイロンを指さす
・イン側のくるぶしを触る
・イン側の腰骨に手をあてて斜め後ろに押す・・・etc. 


基礎スキーで内向・外向を直すため、とか、内足加重・外足加重を体験するために、ストック2本を腰の前後に挟んだり、しゃがんで片方のブーツを両手で触ったり、行きたい方向を指さしたり、そういった練習を過去にしたことを思い出してやってみたつもりです。


でも、強情な私の体はどんなにイン側の手で後ろを指さしたりテールカウルを触ったりしても、腰骨の位置はまっすぐ前を向いたままでいっこうに体が開く気配がないのです。片手8の字も4〜50kmやるうちにさすがにずいぶん慣れてきて、アイドリングだけではなくて結構大胆にアクセルを開けてフロントブレーキをかけて曲がれるくらいになってきたのですが、根本的に変えたいところが変わりません。でもシールドに貼ったテープは明らかに効果があり、「8の字の頂点をとおる白線の上を通過するときには必ず次のパイロンを視界の真ん中でとらえる」ということができるようになってきました。


先生に「8の字見てください」といって今までやっていた片手8の字を見せるとすぐに「両手で」といわれました。片手だとハンドルを妨げなかったのに両手にするとハンドルをおさえてしまって今までのようにうまくできない・・・。「最終的には両手で走るんだから、片手でやってうまく走れても意味ないよ。両手でやるのと同じスピードで走れるならいいけど」とあっさり言われて、非常に納得し、片手でできることは両手でできて当然と思っていたのがいかに浅はかだったかを痛感しました。


「両手でやると左旋回のときにアクセルを握る右手が遠くなってしまうのでハンドルをおさえているみたいなんです。旋回の内側のハンドルだけに手を添えるとそれがなくなるんですが」といってみると、「体だけ変にインに入っているからハンドルから遠くなるんだよ」とあっさりいわれて、いわれてみれば!と納得。


また、ラインどりは、深く考えずに最近8の字GPでタイムが出ると感じていたライン〜パイロンとパイロンの真ん中で切り返してパイロンをぎりぎりひっかけるくらいのイメージで縦に走る距離をできるだけ短くしたラインで走っていたら、先生に「ジムカーナ始めたころから教えていたラインどりがまだできないのか。忘れたのか。やる気がないのか」とたたみかけられました。


今の走り方では、入口でパイロンによりすぎ、出口でパイロンから遠ざかりすぎ、かつパイロンの真横でまだバイクが寝ていて旋回の真っただ中で全然アクセルを開けられる態勢になっていない。パイロンを回り終えたときにはアクセルを開けられる態勢になっているというのは基本中の基本。


というわけで、シールドに貼ったテープに加えて、パイロンの制約も加わりました。入口側に1本、出口側に1本。入口側の制約パイロンより外側から侵入して、出口側のパイロンより内側を通る、そのときにはもう旋回を終えてアクセルを開けられる態勢になっている。出口が狭いからといって腕でハンドルをこじってスピードを落としてゆっくり通過するのではなくて、「普通に旋回して」当たり前のようにそのゲートを通過できるようにする。


この練習をしている途中、先生に「あれ?苦手なのって左だっけ?右だっけ?」といわれました。自分でもびっくりするくらい、苦手なはずの左旋回のほうがこの課題はうまくこなせるのです。右旋回のように小器用にひざ下と腕でバイクをねじ伏せてフルロックにするような技術がないので、顔を行き先に向けるのも早いし、先ほどの片手8の字で「シンメトリーな旋回」をするために早いタイミングでシートの上で体重移動してバンクにかかるということが身に付いたのもよかったみたい。体全体で素直にバイクの向きを変えようとすることができているような気がしました。右のほうが自信があるからか、旋回の準備に入るのが全体的に遅いみたいです。



これは8の字練習も佳境に入ってきたころの動画の左旋回の1コマを切り取ったものです。入口の制約パイロンを過ぎて頂点のパイロンに向かおうとしています。イン側の肩が上がってハンドルが切れるのと体を行き先に向けるのを邪魔しているのは変わりませんが、イン側の肩が先行したまま内側に平行移動するような変なリーンインではなくバイクの傾きに合わせた素直な傾きになっているのと、旋回前半で首が90度横を向いているという私にとってはすごい進歩が見てとれます。動画で見ても、旋回後半に「向きが変わらないので焦ってアウト側に体重移動して腰から下でねじ伏せる」ような動きがなくなっていて、(右はまだちょっとその癖が見られましたが左はありませんでした)その点ではこの練習は非常に効果があったと思います。


しかし結局このときはラインどりの基本はできるようになったものの「今のでフルロックになってた?なってない?してないの?できないの?」というわけで、フルロックに当てるスピードとバンク角までとても意識がいかず、自分の未熟さを痛感したのでした。


ほとんどタイムアタックもせず8の字だけで終わってしまった一日に焦燥感も感じましたが、今度こそこの、いつまでも先送りにしてきた「基本のキホン」を身につけないと先に進めない、と感じているので、目先は少しタイムが落ちることになっても、気長にがんばろうと思います。


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