10/31(土)HMS貸切@桶川

自車両に乗らない週末ってどれくらいぶりだろう?


土曜日はHMS貸切にいってきた。
自分の練習記録によればバラ1以外のHMSに出るのは5月以来で、そのときは「毎週ジムカーナの練習してるんだからうまくなってるはず!速くなってるはず!」とわくわくしながらノーマルVTRに乗って、あまりの乗れなさにうちのめされた。


今回は、「私のVTRとHMSのVTRは別!私がやっているのは競技の練習なんだから、HMSに久しぶりに行って上手く乗れないのは当たり前」と覚悟ができていたので、予想通り乗れなくても焦りはなし。


ただ、この日の唯一にして至上の課題は「インの肩が旋回中に前に出てしまい、体が進行方向を向かない」フォームの3年越しの矯正だったのに、フォームに気を使う以前にバンクが怖くてまともに曲がれないのには困った。課題に挑戦する以前の問題だ。


タイヤの真ん中が接地しているうちはいいけれど、接地部分が側面に移行する瞬間にふわっと抵抗がなくなって、抵抗がないまま倒れこんでいく感覚が怖すぎ。わずか1年半前はHMSのどの車両に乗っても同じように感じられていたわけだから、タイヤに対する感覚が鋭敏になったのはうれしいけれど、それにしても・・・桶赤の皆様がオフセットの進入の際に、バンク角MAXまで躊躇なく一瞬で倒しこんでいくのをみて、尊敬のまなざしを送る。


午前中半分くらい経過して、ようやく「タイヤの粘りを感じずにバンクしていく状態」に慣れてきて、この車両はこうやってバンクするんだ、転ぶ前兆じゃないんだ、というのを頭だけでなく体に分からせることができた。


MSWさんに「ツーリングタイヤであれはフロント加重しすぎ。もっとリアに乗れば楽に走れる」とアドバイスされ、リアに乗ってみると、たしかにラク


KJMイントラからは、「随分アクセルがあくようになりましたね。走り方がかわりましたね・・・」といわれ、「すみません!すみません!」となぜか謝りまくる。


「でも今の走り方はあまりにもバイクとタイヤに対して過負荷です。無理やりねじ伏せてるように見えるし、バイクが寝たがっているところで無理やりアクセルを開けて、『VTRだから通れる』走りになっている。ジムカーナでどういう走り方をするのが正解なのかわからないし、それを否定するわけではないけれど、もっと別の走り方で引き出しを増やすのもいいんじゃないですか」


「ハイ!」


「今の走り方が突っ込みすぎでねじ伏せているなら、ブレーキポイントを遅くすればいいのかもしれません。でも午前中のこのレイアウトではそれでつじつまがあうかもしれませんが、別のレイアウトになったらまた同じことがおこりますよね」


「遅くするのがダメならブレーキポイントを変えずに強くする・・・ってのはどうですか?」


「それもありでしょうね。ブレーキのタイミング、強さ。正解は言いませんよ。考えてください。他にもう1つヒントを出すと、バンクとブレーキのタイミングはどうですか?今はどっちを先にしてます?」


「いつもは一緒を心がけてるんですが、突っ込みすぎかなとおもってブレーキを先にするようにして今は走っていました」


「あくまでもボク個人の走り方ですけど、最後のオフセットは、バンクを先にしたほうが走りやすかったですね。あともう1つ意地悪していいですかね。走り方を変えるなら体の使い方も変えないといけないとおもうんですよ。まあでもそれは意識しなくてもついてくるとおもうのでとりあえずは考えなくていいとおもいますが」


んー・・・
以前はいつも正解を教えてくれたイントラさんが正解を教えてくれない。これは自分が1ステップ上にいったってことなのか?


とりあえず与えてもらったヒントから糸口をつかむべく、アクセル開度は変えずに細かい切り返し部分でバンクを先にしてみる。


パイロンとパイロンの中央で切り返す。


バンクが先!


ハンドルを投げ出す。


リアタイヤを中心にバイクが向きを変える。


リアタイヤがコンパスの芯でフロントタイヤが鉛筆。


バイクの邪魔をしない。


・・・ああ、そう。HMSの車両ってこうやって走るんだっけ。ジムカーナ始める前は意識しないで、でも意味も分からず、当たり前のようにやっていたような。でもこれだけじゃ、ジムカーナやる前の状態に戻っただけだ!


午後は新コースでスピードの乗るレイアウト。大きい円から巻き込むようにして直スラのような切り返しが入る。こういうところはジムカーナのレイアウトでもありそう。


スピードが乗ると、これまたタイヤが信用できずに怖くてしがみついたり、なんかバイクに働きかけようとしてよけい不安定な動きをしたりしていたが、スピードが乗ってもリアに乗るのは同じ。大きいRの円周上を走るときには荷物になりきって中途半端な働きかけをしない。というようなアドバイスを貰って、意識して体を起こして、怖いけどリアに乗ってみると、目に見えて安定した。スピードが乗ってもリアに乗るのは同じなんだ・・・。


目から鱗が落ちていると、「でもカラダを起こしたぶん、ハンドルと体が離れてまた肩が固まってる」と指摘される。リアに乗ると、より意識しないと肩が回らない。午後一のコースではライン取りなど考える余裕もなく、ひたすら「リアに乗りつつ肩をまわす」ことだけを考えて走った。


午後最後のレイアウトは、バリアブル。ここでもリアに乗ることとカラダを回すことを必死で意識して走る。気づかなかったが、KJMさんが追走してくれていた。何を言われるのかとドキドキしながらコメントを待つと
「午前中と全然違いますね。『ちょっと工夫した』ってレベルじゃない。全く違いますね。いいと思いますよ」
おお?!褒められた? とりあえず方向性としては合っていたみたいだ。


全然パワーがないくせに、傾けた状態から開けるといっちょまえに滑るタイヤ。どんなにリアに乗って繊細に踏んでも、コーナーごとにロックするリアブレーキ。邪魔なバンパー!!!! でも、意識してリアに乗ると、リアロックしてもびびって動きを止めてバイクを立てずにすむし、バンパーを擦ってもリアタイヤが持ち上がってそのまま転ぶこともないし、怖くない。


リーンウィズのままのハンドルの切り増しは最後までできなかったし、かといって旋回後半にバイクを押さえ込むのもうまくいかず、よりタイトに回るとかより早くアクセルを開けていくという段階には到達できなかったが、リアに乗りつつインの肩に邪魔されずにカラダをまわすという目標は、終始意識できていたとおもう。


今の私はフロントタイヤをつぶすか、フロントタイヤを転がすか、どっちかしかできない。
タイヤを転がそうと思ったら、フロントブレーキは減速のためのブレーキしか使えなくて、曲がるためのブレーキは使えなかった。
しかも、今乗っているバイクにどちらが必要なのかも自分じゃ分からなかった。
でも、「意識して」切り替えることができるようにはなった。


これってあれかな、引き出しが増えたってやつかな。


リアタイヤが信用できない雨の日、今度自車両でもこれやってみよう。


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