10/02(土)サンメドウズ練習会
フロントフォークをNSR化していただき、ハンドリングは最高に好みで、乗ってすぐに走った8の字GPで28秒4をたたき出し、大会前日のAB練でも、サンメドウズ以外の練習会で初めてクラスタイムを出し、よっしゃいける!と思ったにもかかわらず、D杯では115.1%と凡庸なタイムに終わった。
その後初の練習。その間わずか一週間の間に、リアショックもNSR化していただいていた。師匠、本当にありがとうございます。
さて・・・
フロントもリアもNSR化したVTRにサンメドウズ練習会で初めて乗ってみた。たしかにリアがとってもラグジュアリーなのはわかるのだけれど、ハンドリングが変わってしまって、不安この上なし。
「切れ込む」という感覚とはまた別な気がするのだけれど、ハンドルがなんかスカスカして、切れはじめるとすかーんというかくたーんというか、そういう抵抗なしに一気に切れるかんじがとっても苦手。なんというか、ジャッキでフロントをあげている状態でハンドルを切ったみたいな?もっと体の動きにあわせて、路面に粘りつくように切れてほしい。
スラロームが怖くて仕方ない。
タイムアタックしてみると、スタート直後の8の字と小さいトライカーナの組み合わせみたいなセクションは、ハンドルがふらふらして切れるタイミングも予想外で全然うまく走れない。ブレーキもかけられないし、怖くて寝かせることもできない。フロントNSR化した直後のAB練では鼻歌が出るくらい、今までになくうまく走れたセクションなのに。
定常円のようないままで比較的うまく走れたところも、うまく走れない。直スラも、切れていくハンドルを必死に持ち上げるのに精一杯で前に進む気がしない。
ただ回転だけが拍子抜けするほど簡単に決まる。怖くてろくにフロントブレーキがかけられないので、バンクだけで結果オーライ的にフルロックになったあと、全然フルロックがとけない。
回転以外の箇所はすべてダメダメなのに、タイムはずっと1分8秒台。よくもならないし悪くもならない。走りこんでいるうちに途中でコースを間違えてしまい、何回かパイロンを1本ずらしてトライカーナしていたけれど、MCしてもしなくてもタイム変わらず。
でもこの8秒台のタイムは周りに比べると決して悪くない。普段からパワーのない走りをしているバイクなので、DRZやNSRに比べると地の利があり、さらにあまりのパワーの出なさに上位選手が軒並みやる気をなくしている中とはいえ、これだけこわごわ走っているにしては相当いいタイムだ。(あとでリザルトを見たら109%台だった。といってもトップ選手はほとんど走りこんでいないし、トップのデリケートにセッティングしてあるマシンほどパワーが出なくて本調子でない環境なのだから相対的なタイム比はあがって当然なのだけれど)
はかいだーさんには、そのハンドリングを「切れ込むというわけじゃないし、反動で戻ってくるというわけじゃない。ハンドルをささえている部分のねじが緩んでいるみたいな、ちょっと触っただけでくたんと抵抗なく一気に切れるかんじ」と一生懸命説明すると、「それを怖いと思うかメリットと思うかどっち?」と聞かれたし、師匠や同チームのVTRのC1選手が乗っても、すごくいいという。
いい・悪いじゃなくて、好き・嫌いなんだということがよくわかる。というかむしろすごくいいセッティングなのに自分が怖がって「嫌い」と言い張っているだけ。
そりゃあー回転はなんかわかんないけどうまくいくよ。でもさ、練習会のタイムアタックは、速度が乗ったところからブレーキングで自分で速度を作って低速セクションに進入するところなんかなくて、適当にバンクさせれば回転におあつらえむきの速度になる。特にサンメドウズじゃアクセルあけてもちっともパワーが出ないからなおさらだ。こんなに不安が多くて、得意だと思っていたセクションもバイクに振り回され、ブレーキもろくに使えないんじゃ、速度の乗るコースから回転にうまく持ち込めるはずもないし、それ以外のところだってでうまく走れるはずなんかないよ。と思う。
タイムアタックコースをつぶして、苦手なロングスラロームコースができてからは、さらにその不安な思いに拍車がかかる。
タイトターンでハンドルがロックに当たらない。低速セクションではあれほど一気に切れたのに、スラロームになったらロックが遠い。いつまでたってもロックに当たらなくて、切れるでもなく戻るでもなくふらふらしているのが凄く怖い。一番スピードの乗る直線からのタイトターンでむりやりロックに当てようとしたらリーンアウトでバイクを押し込むような形になってバイクがはねおきた。次の周回では、慎重に速度を落とすことでロックにあてようとしたら、落ちすぎて足をついてしまった。
もうだめだ。怖くて走れない。
これで4本パイロンやって、タイムが出なかったら「スラロームも、流れの中での回転もだめです」といって師匠になきつこう。
そう思ってロングスラロームコースから離脱し、4本パイロンへ。
昇格前は16秒台が出せたのに、昇格後は転ぶ寸前までせめてようやく20秒が切れる程度だった4本パイロン、8の字や直線からの進入はブーツも摺らないしハンドルに振り回されるかんじなのに、回転だけが神がかり的に決まり、3本走ったら、今までのベストを軽く1秒上回る1分15秒426かなんかが出た。そもそもベストが出たのは3ヶ月以上前なので、ここ最近のタイムからは5秒近くのUPだ。
・・・ジムカーナを始めてから耳にタコができるほど聞いた話だ。
乗りやすいセッティングがいいセッティングなんじゃない
タイムが出るのがいいセッティングなんだ
回転が必ず決まる003から、Unbeatenにはきかえたときも、
得意セクションはことごとく失敗するけど全体のタイムはなぜかいい
Unbeatenにするって決めたんじゃないか。
タイムアタックのタイム、そしてこの4本パイロンのタイムを見てしまったらもう吹っ切るしかない。
甘ったれるな!体をバイクに合わせろ!それでもHMS出身者か!
と自分を叱咤してロングスラロームコースに戻る。
タイトターンでハンドルがロックに当たるでもなく、ふくらんでいくでもなく怖いのはなんで?
ハンドルを信用できずに強いブレーキがかけられていなくて、ブレーキもかけていない、アクセルもあけられていない、ブーツも摺ってない、ハンドルもロックしていない、「何もしていない」状態だからじゃないのか?ロックに当たっていれば、その時間は安定していて、まるで免罪符のように、何もしなくて許される時間のように思っていた。
何もしていないから怖いなら何かすればいい。
ブレーキが怖いならアクセルを開ければいいんじゃないか。
そう考えて、フロントタイヤにマシンの向きを変えてもらうような走り方ではなく、HMSで習ったときのような、リアに乗っかってできるだけ思いっきり体でまわす(当人としてはそうしているつもりの)走り方に変えて、「ここでロックしなくて不安定で怖い」と思った瞬間からアクセルを開け始める。リアサスを変えた効果なのか、バンク中からアクセルを開けていくのは全然怖くない。
今まで抵抗がなくふらふらしていたハンドルに内外からちょうどいい力が加わって、「バランスする」かんじ。しかもそれでいて旋回半径が外に膨らんでいくわけでもなく、まるでカービングスキーでうまいことエッジが食い込んでカービングターンが成功したとき、外足のスキーが一気に走って自分を中心にぐるんと円弧を描くときのようにすごい安定感でタイヤが地面に食い込んでいく。
あとで師匠にきいたら、それが二次旋回ってやつなのだそうだ。
ディアブロはいてまだちょっとだけれど、ディアブロのすごさを思い知った。
車高が高くなって思うようにブーツをすらなくなったせいか、『無理つま先』になっていたようで、右旋回でニーグリップが解けていることを社長に教えていただき、ニーグリップを意識するとよりアクセルがあけやすくなった。
途中で同じチームのC1選手ののVTRへの乗り換えを強制的に命じられてのってみるが、これはマイマシンに輪をかけて乗り味が好みではなく、相対的にさらに自分のマシンが乗りやすく感じられる。
そんなかんじで、マシンと一緒になってコーナーに突っ込んでいくような一体感はまったく感じられず、すべてのコーナーで「このハンドリング好きじゃない!」と心の中で思いながらも、なんとか恐怖心を克服してスラロームコースを完走できるようになった。
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今日のよかったところは、怖い怖いと思いながらも、怖さを軽減するためにどうすればいいか自分で考えて走り方を変えられたところ。
得意セクションがうまく走れないことで投げずに、何度もタイムアタックに挑んで回転だけでも成功させられたこと。
もちろん、師匠が辛抱づよく私の「どうしてほしいって具体的にはいえないんだけど怖い!」というクレームに対処してくれて、セッティングを少しずつ変えてくれたおかげではあるのだけれど。
次回は、とりあえずこのセッティングに体を合わせよう。速度の乗ったところからのブレーキングが怖くなくなる程度に走りこもう。
回転は、はかいだーさんが練習方法のヒントを与えてくれたように、順バンクからの入り方や切り返しての入り方など、アプローチのバリエーションを増やして、ただ360度回るだけじゃなくてプラスアプローチで練習しよう。
みんなに絶賛されるマシンになったんだから、私がマシンに合わせるんだ!
絶対速くなってやる!!!