その後の活動色々

昨シーズンのD杯最終戦のあと、すっかり日記が滞っておりましたが、怪我もせずに普通に練習しています。ただ、大スランプに陥っておりました。おります。現在進行形。昇格前後は週に2日、普通に練習していましたが、最近は週1日が通常で、練習しないこともあります。


大会でのタイム比は

    • 10/11/28 115.12% 【C2 7/18 61/101】 J杯#3
    • 11/01/09 116.36% 【C2 15/20 62/98】 J杯#4 
    • 11/02/13 114.74% 【C2 3/13 22/70】 事務茶屋杯#4

とまあ大きく破綻はしていないのですが、練習では一時期、(ベストタイムは全て去年の9〜10月ごろ出したもの)

    • 8本パイロンAベストタイム: 55.35 →57〜58秒台
    • 8本パイロンBベストタイム: 56.96 →59〜1分01秒台
    • 4本パイロンベストタイム: 1'15.426→1分20秒オーバー
    • 8の字GPベストタイム: 28.49→30秒〜31秒


と軒並みタイムを落としまくり。


自己最高タイム比の110%台でC2で6位入賞した(とはいえ、このときはC2上位4名が110%をきって昇格しているので相対的にはそこまでよくはありませんが)直後に、「バイクが止まらない」という恐怖感に取り付かれてしまい、まったく走れなくなりました。


もともとそれまでフロントブレーキを使っているつもりで使っておらず、旋回時にはリアブレーキだけで向きをかえるきっかけを与える、という走り方をしていたようなのですが、マシンの性能がよくなってアベレージスピードが上がってしまった結果、その走り方ができなくなったのです。


D杯前後にフライホイール軽量化等色々チューンしていただき明らかに加速がよくなり、同時に内圧コントロールバルブを入れてほとんど減速時のエンブレがなくなり、さらにD杯直後にほんの少しだけハイスロをいいれたのですが、アベレージスピードがあがりエンブレがなくなり、リアブレーキでバイクをおさえようとするとことごとくリアがロックしてタイヤが流れ、怖い!とおもってバンクできなくなる、スピードも出せなくなる、じゃあフロントブレーキを使おうとおもっても今まで全然使っていなかったので使えない・・・。


バンクしているつもりなのに怖がって体ばかりが中に入るリーンインもどきになってしまいリーンウィズすらおぼつかなくなってきました。


師匠に泣いて懇願して、結局最後はあまりの走りのヘタレっぷりを見た師匠があきれてハイスロを取っ払ってくれたのですが、一度体にしみついた恐怖感は容易にぬぐえず、その後は試行錯誤。


たまたま個体差で、そのとき使っていたフロントブレーキのブレーキパッドがかなり効かなかったというのもあったのですが、思い切ってブレーキパッドではなくブレーキキャリパーを替えることにしました。冬の間にブレーキキャリパーを2回、ブレーキマスターを4回、ブレーキパッドを数え切れないくらいかえました。またそれと平行して、「効くブレーキを使いこなす」ためにC2のVTRの先輩に教わって、直線をアイドリングでちょっと走ってジャックナイフ の練習を何十kmもやりました。


ブレーキキャリパーを替えてかなり効くブレーキになったはずなのに、最初の十数キロは5本がけしても全然リアが上がらず、「それじゃガッツンブレーキすぎる」と何度も言われました。ようやくリアがあがったとき、ブレーキは引くんじゃなくて奥に握りこむんだという意味が初めてわかりました。タイムアタックのときに車体が傾いた状態でゴールして、フロントロックして盛大に滑走することが今まで何度もあったのですが、自分のブレーキがいけなかったのだとよくわかりました。また、フロントブレーキの「奥」を体感したおかげで、ブレーキマスターを替えたあとは、その価値がよりよくわかりました。


当たりがでていないのだと思い込んでいたのに、ヤフオクで落としたブレーキキャリパーに入っていたパッドが、熱が相当入らないと効かないパッドだったらしく事務茶屋の1ヒートで全然止まれずに苦労し、大会後の練習走行で見違えるように走れるようになった、なんてこともありました。


ブレーキ周りがどうにか「これで完成形」というところまで行くと、ブレーキについては申し分なく効くようになったのですが、以前の走り方と同じタイミングと量でアクセルを開けていると、当然ブレーキが効かなかったときに比べて激遅になります。クルドカのドカがない状態です。うまくブレーキを使って小さく回っているような気がするので、「うまく丁寧に走れている気がするのにタイムが出ない」という自覚がなく原因がわからない最悪のパターンです。


また、低速ではフロントブレーキがよく効くようになったおかげで、バイクが寝ていない状態でブレーキをかけるといきなりハンドルが切れ込んでバイクがはねおきてしまい、それを怖がってそろそろと進入するのでバイクも寝なくて、270度ターンや回転セクションでフルロックすらできなくなりました。


定型コースで冒頭のように軒並み2〜3秒タイムを落とし、練習が本当にしんどかったです。


結局、よく効くブレーキに身構えてしまって、切り返しが遅くなってしまっているのではないかとおもい、8の字でパイロンが1メートル手前にあると仮想して、両側1メートル小さい8の字を走っているつもりで切り返してようやくタイムが出るようになってきました。何のことはない、「バイクを起こしている時間をなるべくなくす、常にバイクは寝かせたまま」・・・VTRで速く走るための鉄則です。


思い返せば、D杯の5戦で速く走れたのは、ブレーキの前にバンクをはじめていたからだと思うんです。ブレーキをかけてもバイクが跳ね起きないから躊躇なくブレーキをかけられる。フロントサスがしっかり沈んで戻ってこない。だから早めにアクセルを開け始めても旋回途中でバイクが起きず粘りつくように旋回してくれる。まあリアのディアブロの恩恵もあったと思いますが。どんなスピードでコーナーに突っ込んでも、曲がりきれない気がしなかった。バンクしている間にタイヤの角が壁になって自分のバイクを曲がりたい方向に推し戻してくれるような気がしたんですよね。


今は、旋回後半、曲がりきる前にアクセルを開け始めようとするとその場ですぐにバイクが立ってしまって、バイクがまっすぐ進もうとしてしまいます。ロックを怖がってリアブレーキを踏み切れていない、夏のディアブロと冬のレンスポでグリップ力が違う、バンク角が浅い・・・色々複合的な理由があると思いますが、これができるようになって、バイクを寝かせたままアクセルを開け始められるようになれば、きっとタイムも戻ってくると思います。


また、師匠のすばらしいチューンによって私のバイクはVTRとは思えない加速をするようになっており、フォームも重要になってきました。今までの「大は小をかねる」的な、どんな時も200km/h出しているかのような伏せたフォームでは、加速で体が後ろに持っていかれることはないものの、逆にその「加速Gを利用して体をシートに押し付け、リアタイヤを地面に押しつける」ことができません。これについては師匠がジムカーナを始めた頃から「ニーグリップしないで加速減速」という練習で私に教えてくれていたのに、その地味な練習の意味を私はさっぱり理解しておらずいつの間にか忘れていて、いつぞやの桶川のD練で見学者の某桶赤の方に指摘されてようやく思い出しました。


HMS上級の先頭の人たちは、CB1300で小さな旋回から加速にうつるときも、「いっくぞぉー!」みたいな体の動きを一切感じさせません。瞬間移動みたいなかんじで、いつの間にか加速しているんです。キム・カッファン鳳凰脚みたいなかんじです。あれ、あれをやりたい。マシンをチューンして加速減速のエンブレやドンツキをなくしてもらうだけじゃなくて、自分の体で、必要最小限の動きでそれを吸収して、自然なアクセルオンにつなげたい。


また、減速のときも、昇格前後のあたりではかいだー氏に、ブレーキングで息を止めるな、ということを毎回言われました。(ジムカーナの初練習会に参加したときから言われていました)息をとめずに息を吐き出しながら体を起こし、マシンを体の下で遊ばせるようなイメージで深く倒しこみ、リアにしっかり乗って回る・・・っていうのが出来たときは8の字GPでもタイムがよいです。ただ、バイクのことが信用できていないと、バイクから離れるのはとても難しいです。旋回の後半でハンドルが急に切れ込んでバイクがはねおきたら、バンク中にグリップを失ったら、曲がりきれなかったら・・・と不安になると、ついついぺたーんとバイクに伏せてしまいますし、旋回に余裕を持って入れないと体を起こしていく時間的な余裕がありません。その意味でも、切り返しを早くして余裕を持って旋回に入っていきたいです。


ああいうライディングがしたい、という目標はC1でZRXに乗っている女性ライダーのTKHRさんです。めちゃめちゃ大きくて重いバイクに乗っているのに、振り回されている感じがしなくて必要最小限の体の動きで丁寧にマシンを操って、しかもバンクもめちゃめちゃ深くて、低速のテクニカルセクションだけじゃなくパーシャルの定常円みたいなセクションも超速い。VTRを早く走らせる走りとはラインからなにから全然違うけれど、「基本に忠実なだけじゃなくてテクニカルでいてアグレッシブ」っていうところが目標です。


やっぱり基本は大事です。昇格したときのDVDを見るとぺたーんとタンクに伏せて、アグレッシブな気持ちだけは買うけれどバイク全然加速してないよ?みたいなフォームですが、D杯最終戦のDVDを見ると、ずいぶん体が起きて、少し基本に近づいたフォームになっています。


VTRは本当に優秀なバイクで、ある程度までは恐怖感をあじわうことなく、楽しい楽しいとおもいながら速くなれます。私がCB400で、嫁入りが危ぶまれるほどの怪我をしたときも、VTRのおかげでまたバイクが楽しいと思えるようになりました。でも、ある程度まできた(と思いたい)ら、VTRで楽させてもらっていたところを見直し、CB400でさんざん練習したときの基本を思い出してそれに立ち返って、バイクの小さな挙動や変化をもっと感じられるようになり、バイクを信用できるようになり、その上で限界を探って攻める気持ちを持たないとこれ以上速くなれない気がします。


HMSの日記を読み返すと、師匠に口をすっぱくして言われたのにすっかり忘れていること、今さんざん悩んでいることなどがたくさん出てきます。練習をしていないときは基本を思い出して、バイクとの信頼関係を築くことに努めたいです。

HMS中級真ん中くらいでジムカーナデビュー

140%台orz

低速セクションを血をはくほど練習する

120%台で走れるようになる

バイクを止めない、起こさない、「VTRの走り」を練習する

120%を切れる

とにかくアホみたいに走りこむ。ブーツのスライダーを擦って走れるようになる。アベレージスピードがあがる。

115%前後で走れるようになる。練習会では115%を確実に切れる。

セッティングやタイヤ銘柄を変えた後、「今までと違う」ことだけで調子を崩さない。いいセッティングであれば替えた直後でもいいタイムが出る。低速セクションで安全マージンを減らし、自分の実力に応じて攻めることができる

115%切り。しかし頭打ち。むしろタイムを落とし120%前後に逆戻り。

ブレーキングを地味に練習する。フォームを見直す。基本に立ち返る


にほんブログ村 バイクブログ ライディングテクニック・スクールへにほんブログ村 バイクブログ 二輪ジムカーナへ(ランキングに参加しています。もしお気に召したら1クリックいただけると幸甚です)